飛騨が誇るヴァイオリニスト、打保早紀さんインタビュー

来る10月11日に開催される『TAKEMITSU 飛騨の秋に精霊の声を聴く ―室内楽によってたどる武満徹の世界―』。
飛騨が誇るヴァイオリニスト、打保早紀さんインタビュー

出演者のひとり、飛騨高山出身のヴァイオリニスト、打保早紀さんにお話を伺いました。
飛騨が誇るヴァイオリニスト、打保早紀さんインタビュー




■今回のこの『TAKEMITSU 飛騨の秋に精霊の声を聴く~』はどういったコンサートなのでしょうか?

 今回、私が大学院時代に受けたゼミの仲間、そして今回の演奏会のキーパーソンとなるのが西崎専一名誉教授で、プログラムは西崎先生がほとんど構成して下さいました。
勿論、私より先生の方がプログラムに対して思い入れがあると思いますが…(笑)
武満の生きた時代を辿るようなプログラムになっております。
また、独奏、デュオ、トリオ、カルテットなど、編成様々なアンサンブルも楽しんで頂けると思います。



■武満徹作品を演奏するにあたって、どのようなことを感じながら演奏されているのですか?
またコンサートの聴きどころや楽しみ方のおすすめがあれば教えてください。


 正直、曲自体はお客様にとっても聴いたことのない曲ばかりだと思います。
私たちメンバーも初めて演奏するが曲がほとんどなので、練習も試行錯誤しながらやっています。
一見、メロディーラインが分かりづらい曲が多いですが、しばらく聴いているとなんとなく浮いてくるように聴こえるのではないかと…。そこが武満の作品の面白い所だと思います。

 そして武満プロジェクトというのは(プログラム全部が武満の作品)日本でも初めてではないでしょうか。
これだけのオール武満演奏会で、武満徹が世界でも大変有名になったわけ、そして武満がどんな人だったのかと理解して頂けるのではないかと考えています。



■打保さんにとってヴァイオリンとは?

 24時間どんな時も常にヴァイオリンの事は頭に置いてあります。
ヴァイオリンのことというより、音楽のことはどんな時でも考えています。楽器を弾いていない時も道を歩いている時も。


■演奏する時大切にしていることはありますか?
 
当たり前のことですが、どんな場所でもどんな小さい演奏会でもひとつひとつ大事に演奏するようにしています。
最近は、いつも冷静に演奏することも心がけています。



■今回会場となるスピリットガーデンホール(大ホール)は武満氏が1994年に作曲した旧古川町委嘱作品『スピリットガーデン(精霊の庭)』の名を冠しています。
高山市出身の打保さんが、この演奏会に参加されるということでまた特別なコンサートになると思いますが、意気込みをお願いします。


 今回は、武満が愛した飛騨の地で、スピリットガーデンホールで演奏をするということが一番の目的でもあります。
そのことを私たち演奏家は誇りを持って、なんとかお客様に武満の曲を少しでも知って頂きたいと思っております。
 
 今回、私を含め出演者3人が高山、飛騨古川出身です。
私自身、自分が育った場所でこのような演奏会ができるとは思ってもみなかったので、本当にありがたいですし、今回、西崎先生ははじめ、一緒に共演して下さる名古屋フィルハーモニー交響楽団の後藤龍伸さんにも非常に協力して頂いています。
というのは、全国どこへいっても飛騨・高山のことは誰もが好印象を持ち、誰もが行ってみたいというような場所になっています。
なので今回の出演者たちにも快く演奏して頂けることになりました。

 私はその代表として、この地元がなぜこんなに愛されているのか、武満が最後に飛騨をなぜ選んだのか。
自分の演奏にもその思いを込めて、舞台に立とうと思います。


どうもありがとうございました。



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TAKEMITSU 飛騨の秋に精霊の声を聴く ―室内楽によってたどる武満徹の世界―
は、10月11日(日)14:00より、飛騨市文化交流センター・スピリットガーデンホールで行います。(13:45よりプレトークがあります)
チケットは全席自由、一般2,500円。チケット好評販売中です!
ご不明な点は、飛騨市文化交流センター(0577-73-0180)までお気軽にお問い合わせください。


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打保早紀 Saki Utsubo
飛騨が誇るヴァイオリニスト、打保早紀さんインタビュー
5歳からヴァイオリンを始める。高山のフェリーチェ音楽院、長尾みはる先生のもとで習い始める。
2004年、第57回全国植樹祭にて天皇皇后両陛下の御前で演奏。名古屋音楽大学音楽学科弦楽専攻卒業、及び同大学院研究科修了。
オーディション選抜による修了演奏会に出演。2011年 ハンガリー国立リスト音楽院に留学し、ヴァイオリンをサバディ・ヴィルモシュ、エーデル・パール各氏に師事。留学中、リスト音楽院フレンドシップコンサート、ブダペストチャリティーコンサートなどに出演。またフィンランドでのマスターコース等で研鑽を積む。2013年 完全帰国後、初のソロリサイタルを開催。
現在、名古屋音楽大学授業補助員。マロニエールクラシックフェスティバルオーケストラメンバー。ヤマハミュージックジャパン B&Oデモンストレーター。


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Posted by 飛騨市文化交流センター at │ 17:15武満徹