篠田正浩監督の講演会
[2011年05月31日]
こんばんは
更新がだいぶ遅れてしまいました
5月14日の篠田正浩監督「鑓の権三」上映と「武満徹と映画音楽」講演の模様をお伝えしたいと思います
「鑓の権三」上映
原作は、近松門左衛門の浄瑠璃「鑓の権三重帷子」です
不義密通の濡れ衣を着せられ、心ならずも死出の旅を共にすることになる、権三とおさゐを郷ひろみさんと岩下志麻さんが演じています岩下志麻さんが放つ、妖艶な美しさが際立っていました
篠田監督は、まだ初々しいアイドルだった頃の郷ひろみさんを見て、「この子が30歳くらいになったら権三を演じさせたい」と決めていたとか
鑓の権三は、近松門左衛門の設定により忠実に描かれてはいるのですが、一点だけ、解釈の分かれる部分があるそうです近松門左衛門は、二人に肉体交渉があったかを明確にしていないそうです
ご想像にお任せします状態・・・なので、「あった」「なかった」と解釈は分かれ、篠田監督は「なかった」派だったそうです結局は、話し合いで「あった」という事になったそうですが、「あった」にするまでには監督、脚本家ともに葛藤があったとか
最後のラストシーンではバッサリ切られとどめまで・・・ご来場の皆様、目が釘付けでした
上映が終わり、篠田正浩監督の講演が始まりました
テーマは「武満徹と映画音楽」
21世紀を代表する作曲家・武満徹(1930-1996)との映画音楽のお話
2人は1960年代から30年以上も仕事を続けてきたそうです
映画音楽を80本以上手掛けた武満徹、その中でも篠田正浩監督作品では16本と多く、親交の深かったこ
とを表しています
講演の内容とは・・・
音と音楽は常に連続している・・・例えば、ドラマの中で音が止まって沈黙になる・・・
それは、音楽の「休止符」ではなく、話し声や足音、雨や風といった自然の音、生活音やノイズを含む全て
の音を「音楽」だということ
沈黙から音楽は始まっている。
沈黙のなか、刀をぬく音・・・刀の音、風をきる音・・・
この「静」の世界が、ふと訪れた悲劇を際立たせているのです
なるほど~と思わせるお話ばかりでした
こんな話も・・・若かりし武満徹さんはポケットにボール紙をしのばせて作曲をしていたとか
講演会に参加してくださった皆さんも、きっとこれからは映画やドラマで音の感じ方が変わるのではないでしょうか
さて、いよいよ今週末
6月4日に開催される
加藤登紀子コンサート~詩と歌の世界~
6月4日(土)
18:30会場~19:00開演
入場料/5,000円
ガーデンメイト/4,500円(1会員につき2枚)
まだチケットございます
加藤登紀子さんの弾き語りをぜひ聴きにいらしてください
スポンサーリンク
Posted by 飛騨市文化交流センター at │
18:21│